2022/8/1
少しソーシャルゲーム分野の特許出願の状況について調べてみました。
ソーシャルゲーム分野の特許出願の状況
※J-PlatPatを用いて、ソーシャルゲームに対応したIPC(国際特許分類)に基づき公開日を基準として算出
ソーシャルゲーム分野では、年間1,500件程の特許出願がなされています。
また、近年では、グリー、カプコン、ミクシィの出願件数が増加しているが、一般的には新製品の数(新タイトル数)に応じて特許出願件数が増加する傾向があり、一時的によるものなのか、知財強化による改革的によるものなのかは、各社の新タイトル数と鑑みて検討すべきでしょう。
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、特許出願をしているように思われないが、パズ・ドラが継続してヒットし続けているためであろうか?要因は不明である(個人的に推測できる要因はありますが、問題発言を避けるため割愛します・・・・)。
また、少し古くなりますが、特許庁でも平成30年度に電子ゲームに関する「特許出願技術動向調査」を発表しています。
特許出願技術動向調査 | 経済産業省 特許庁 (jpo.go.jp)
30_02slide.pdf (jpo.go.jp)
ボリュームが多いので、詳しい説明は割愛しますが、ザックリ「VR、AR、ARG、AIによるゲームバランス制御など、新たなゲーム方式を採用したゲーム開発をがんばれーー!」と特許庁は述べている。特許庁も、近年収入が減収しており、特許出願の増加による増収を期待しているんでしょうね。
自分は、遊技機の特許出願を経験してきたが、遊技機の特許分野だと、年間10,000件以上の特許出願がなされているのが異常にも感じます。
もっとも、遊技機以外の様々な分野を経験してきて、客観的に遊技機の分野に立ち戻ると、自分が入社した遊技機メーカには公取委員のガサ入れがあり、複数の遊技機メーカからなる当時のパテントプール会社(日特連)が、独占禁止法で訴えられ、日特連が解散しました(当時は、開発部員でしたので、パテントプール?独禁法って何?でしたが)。その後、この事件がリーディングケースとなり、大手電機メーカからなるDVDやテレビ等のパテントプールのルールの参考とされてきました。
さらに、転職して特許部員になると、自分が働いていた遊技機メーカ(A社)と相手の遊技機メーカ(S社)とで特許侵害訴訟があり、東京地裁では損害賠償額が約80億円(当時は最高額)にものぼり、大きな話題となりました(後日、敗訴しますが・・・)。
このように、遊技機の特許分野は、良くも悪くも多数の特許出願を行ってきて、活用してきた歴史が長いことからこそ、特許のリーディングケースになることが多く、遊技機以外の様々な分野でも役立つことが多い。
毎日スマホでいじっているソーシャルゲーム分野でも、同じゲーム業界として頑張って欲しいな。
あっ「競争の番人」って「公正取引委員会」を舞台にしたドラマらしい。今度見てみよ。